精神保健福祉士がMHSWに?
令和7年7月11日
旭山病院 医療連携室です。
6月4日付のブログで、精神保健福祉士のPSWとはどういった意味か、という記事を掲載しました。
現場では私も実感していますが「PSW」という認識がとても強く、今でもPSWと伝えた方が伝わりやすいのでよくこのまま使っています。
よくあるのは精神保健福祉士会を「P会」と言ったりしています。
精神保健福祉士の名称が誕生する前から活躍していたPSWの偉大な先輩方の功績ではないでしょうか。
色々なネット記事などで、PSWと名乗るかはその人次第、という意見も見られますが、その通りだとするならば私は精神科病院勤務の精神保健福祉士でソーシャルワーカーをしていますから、まさに「PSW」でしょう。
しかしながら、職能団体である日本精神保健福祉士協会がPSWからMHSWに英訳を変更する、と動いたのはとても大きなことだと私は考えています。
精神保健福祉士の有資格者は、社会福祉振興・試験センターのデータを見ると令和7年現在、およそ11万人が精神保健福祉士資格を有していることがわかります。
しかし、その中で精神科病院に勤務している人や経験者はどれだけいるでしょうか。
法律が変わり、入院から地域へと移行する中で関わる精神保健福祉士の仕事も拡大してきました。そうすると、精神科病院以外でも精神保健福祉士の活躍の場も広がります。
治療だけでなく予防・・・こういった時代背景や、包括的な意味やグローバリズムの影響もあり
Mental こころの
Health 健康
Social ソーシャル、社会福祉などの意味
Worker ワーカー、働く人
からMHSWという意味です。
これからますます精神科病院を実習以外で経験することがないまま「精神保健福祉士」を仕事にする人も増えていくと思います。
精神科病院では多くの病気や障害、経済的な問題、家族関係・・・社会生活をギリギリのラインで綱渡りしているひとを見つめ支援する仕事であり有資格者だからと言って一朝一夕で出来るような職務ではありません。他の福祉関係の方もやはり「精神科」ときくと苦手意識を持っている方が今この令和の世でもとても多いのが現実です。
このような中でも精神保健福祉において精神科治療とは切って切り離せないものであり、そして精神科病院での入院形態を司る精神保健福祉法もまた同じだと思います。
精神保健福祉士よりも早くに存在し精神保健福祉士の原点である「PSW」と呼ばれる精神科ソーシャルワーカーの志が絶えないことを願うばかりです。
書きたいことは山ほどありますが、少しずつイベント以外にもこうした精神保健福祉士や精神科病院のことなどについてここのブログに掲載していきたいと考えています。
参考
・精神保健福祉士について[公益社団法人日本精神保健福祉士協会]
・資格登録(社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士)[公益財団法人社会福祉振興・試験センター]